アメリカ合衆国

米国の債務時計は、財務省 Fiscal Data(Debt to the Penny)・経済分析局(BEA)・連邦準備制度(Fed)・労働統計局(BLS)・国勢調査局の最新公式スナップショットを起点に、公表された年間成長率で各瞬間を補間する。

連邦政府総債務 vs 公衆保有債務

見出し系列は財務省 Debt to the Penny の連邦政府総債務(gross federal debt)である。これは公衆保有債務(debt held by the public)と政府内保有(intragovernmental holdings、社会保障信託基金など)を合わせた値だ。議会が定める債務上限(debt ceiling)もこの総額を基準とし、国際比較でよく使われる公衆保有債務のみの数値とは異なる。定義差は FAQ と用語集で扱う。

このページの数字が他と違うとき

米国の債務は他国より原資料へのアクセスが容易だが、それゆえ系列が複数あり値が分かれる。本ページは財務省が毎営業日公表するDebt to the Pennyを出発点とする。一方、報道でよく引かれる値は民間保有分(debt held by the public)や、政府内保有分を含む総額であることが多く、両者の差は数兆ドル規模に達する。

連邦と州・地方の区分もある。本ページのヘッドラインは連邦政府ベースであり、州政府と地方政府の債務は含まない。国際比較で用いられる一般政府ベースはこれらを含むため、米国の値を他国と並べる際はまず範囲を揃える必要がある。

基準日の面では、米国は補間区間が短いほうだ。債務残高が日次で更新されるからである。ただしGDPは四半期発表、人口は年次推計なので、一人当たり債務やGDP比では分母側の推計区間がはるかに長い点を踏まえるべきだ。

他通貨表示の値を見るときは、為替の適用時点が追加の変数となる。本サイトは適用レートとその基準日を画面上部に表記しているので、他の資料と対照する際にこの三つ(系列・範囲・為替)を先に揃えれば、不一致のほとんどが説明できる。

米国ページが追跡しているもの

見出しは財務省 Debt to the Penny の公的債務総残高(Total Public Debt Outstanding)である。市場で取引される国債などの公衆保有債務と、社会保障・メディケア信託基金のような連邦勘定が保有する政府内保有債務を合計した値だ。対象は連邦政府債務だけで、州・地方政府の債務、連邦保証融資、社会保障の積立不足の約束は含まない。

家計はニューヨーク連邦準備銀行「家計債務・信用報告」(HHDC)の系列である。住宅ローン、ホームエクイティ・ライン(HELOC)、自動車ローン、クレジットカード、学生ローン、その他の消費者ローンを合計した総額で、本ページはそのうち住宅ローンとクレジットカード残高を内訳系列として併せて示す。

公式データの系譜と改定

米財務省財政サービス局(Bureau of the Fiscal Service)は営業日ごとに前営業日の残高を Debt to the Penny で公表し、月末には月次公債明細書(MSPD)で詳細な構成を出す。日次残高は事後改定がほとんどなく、5か国の中で最も新しい基準値である。歳入・歳出は会計年度(10月〜9月)ベースの月次財務省報告(MTS)から取り、この報告は毎月8営業日目に出る。

GDP は経済分析局(BEA)が四半期ごとに速報・改定・確定の順で3回推計し、毎年秋の年次改定と約5年周期の包括改定で過去の値を改める。人口は国勢調査局のヴィンテージ推計で、毎年12月に新しいヴィンテージが出ると過去の年の値まで書き直す。家計債務報告は四半期ごと、四半期末からおよそ1か月半後に出る。

米国でリアルタイムカウンターが動く仕組み

米国は基準値が営業日ごとに更新されるため、分子側の補間区間は短い。ただし、なめらかな曲線では再現できない時期がある。債務上限に達すると財務省は特別措置(extraordinary measures)で上限対象残高を据え置き、その間の公式残高は数か月平らなまま推移し、上限が停止または引き上げられた直後に短期間で急増する。こうした時期には、画面の推定線と実際の日次残高の差が普段より大きくなる。

見出し系列の基準日
2026-10-16
適用する年間増加率 g
6.38%
基準日直後の毎秒増加額
$79,116
家計債務系列の基準日
2026-03-31
計算式と基準日の扱い
方法論ページ

米国データの既知の限界

第一に、政府内保有債務は連邦政府が自らの信託基金に負う債務であるため、経済的な負担を論じる際は公衆保有債務だけを使うことが多い。本ページの総額は、法定債務上限の対象とほぼ同じ範囲である点に意味がある。第二に、家計債務報告はエクイファックス(Equifax)の信用記録の無作為標本であるニューヨーク連銀消費者信用パネルに基づくため、連邦準備制度の金融勘定(Z.1)の家計債務とは範囲も数値も異なる。

第三に、公的準備資産のカードは財務省の資料を基にした推定系列で、補間しない。第四に、GDP 比と一人当たり債務は分母が四半期・年次の系列なので、日次で更新される分子と基準日が数か月ずれる。

見出しを自分で確かめる方法

Fiscal Data のサイトで Debt to the Penny のデータセットを開くと、日付ごとに公衆保有債務、政府内保有、公的債務総残高の3列が並ぶ。本ページの基準日と同じ日付の総額の列が出発点で、その後の日付の実際の値と画面の推定値を比べれば、補間誤差がどれほどかを直接確かめられる。データセットは CSV・JSON のダウンロードと API を備えているので、同じ比較を自動化することもできる。

家計債務は、ニューヨーク連銀の報告ページに併せて掲載されるデータファイルで、四半期ごとの総額と項目別残高を確認する。総額には学生ローンや自動車ローンが含まれるため、本ページの住宅ローンとクレジットカードの二つの内訳系列を足しても総額に届かないのが正常である。

この国をさらに掘り下げた記事

ストーリー

比較

引用の際は /api/usa/snapshot.json の citeAs と基準日を併記されたい。